2005年05月23日

プロ野球を見に行こう

今プロ野球ではセパ交流戦を行っているわけですが、昨日巨人対日ハム戦を見に行ってきました。前日の試合が乱打戦だったので逆に投手戦になるのではないかと思っていたわけですが、はたして巨人今季初となる完封勝利となりました。今まで勝ち星の無かった高橋尚成が初勝利で初完封というのはある意味ドラマではあるのですが、見る方にとってはやはり乱打戦の方が楽しかっただろうなと言うのが本音です。ですがプロ野球にとって初めての試みである交流戦ですが、今ひとつ盛り上がりにかけるように思うのはなぜでしょう。巨人が弱いと野球がつまらなくなるというのはあると思いますが、昨年のライブドア騒動以来、もう少し注目されても良さそうです。
さすがにドームでの巨人戦ということでガラガラの状態ではありませんでしたが、それでも結構空席が目に付いて、このままではプロ野球全体が衰退していくのではないかと危惧してしまいました。

野球人気が低迷した理由に先ほどの巨人の成績不振があるのはもちろんでしょうが、その他にもいろいろ理由はありますね。例えば巨人の場合は監督に今ひとつ華が無いというのもあるかと思いますが、ゲームの進め方とか見せ方とかもっと色んな点で改善していけば野球人気復活もありえるのではないかと思います。
以前に比べて野球技術のみならず、球場のシステムや施設の充実もしているのですから、本当だったらもっと面白くて当然だろうと思います。もちろんイチローや松井がメジャーに行ってしまって、日本のプロ野球がメジャーの二軍みたいな印象を与えている部分もあるでしょうが、ショーとしてのプロ野球なのか、あるいはプロの醍醐味を実感させるものにするのか、その辺がだいぶ曖昧になっているようにも感じました。

ということで、オヤジなりに考えた、なぜプロ野球は面白くなくなったかをいくつか考察していきましょう。

野球場に行って感じることは昔に比べて球場全体が非常に綺麗になっているということ。もちろんこれはここ2,3年のことではなくて、私が子供の頃に比べてということですから何十年も前に比べてということになりますが、そのおかげで女性や子供たちも安心して行けるところになりました。その辺の美化意識はJRAなどもだいぶ意識しているので決して間違いではないでしょうね。特に観客に気持ちよく見せられれば、その分見るほうとしてもまた来たいという気持ちになるものです。ただ野球そのものはむしろおじさんが好むスポーツでは無いかと思うのです。実際に昨日見に来ていた客で私の周りにいたのはなぜか親子連れ、しかも母と息子という組み合わせが非常に多かった。父と娘というのもありましたが。。。

ひとつには明日の仕事を抱えたお父さんがわざわざ球場にまで足を運びたくないというのもあるかもしれません。もっと考えれば母子家庭が多くなったのかもしれません。それはともかく、野球の面白さは誰が教えるかというと昔はお父さんだったわけです。私の子供の頃は、まだ長嶋や王が活躍していたころですから、もちろん近所の子供たちで狭い空き地でも草野球に興じていたわけですが、それでも手ほどきは父親から受けました。確かに昔と違って今はキャッチボールをする場所もありませんし、そんな場所があればみんなサッカーをしたがるかもしれません。これからお父さんになる人もほとんどキャッチボールすらしたことが無い人が増えるかもしれません。

ショービジネスとして捉えた野球なら特に自分が経験している必要は無いかもしれませんが、人間と言うのは自分の実力と比較しないと勝手に多くを望むものです。特にプロなんだからということで、スーパープレイの数々を期待したりもしますが、そう言う場面はそれほどありません。普通にゴロを捌いてアウトを取る。見ていて何も面白くないと思うかもしれませんが、細かいところを見ていると実は非常に技術的に高いものであるというのは実際に自分でやってみないとわからないものです。
清原がランナーの時、タイムリーヒットで3塁を狙ってアウトになりました。テレビで見ているともの凄く足が遅い。亀が走っているのかと思うくらい遅い。あれならアウトになって当然だとも思うのですが、しかし一般人に比べてそれほど遅いかと言うと決してそんなことは無いのです。間違い無く私よりは早いはずです。それは球場で見ないとなかなかわかりません。なぜ遅く見えるかというと比較対象が他のプロ選手だからです。他の選手のいいところと自分の劣っているところを比較されるとこれほど厳しいものはありません。もちろんプロなんですからそれは当たり前と言えばそうなんですが、それはあくまでプレイする側としての心構えであって、見る方が楽しむ観点からは違うだろうと思うのです。

さて、話がだいぶそれてきてしまいました。
オヤジが望む球場として、綺麗であるというのはそれほど重要なファクターでは無いと思います。むしろビール片手にタバコを吸い、それこそ床に新聞紙を敷いて観戦に来たんだが酒宴に来たのだがわからないような感じでも、それはそれで球場の雰囲気を楽しむことには違いありません。その辺の感覚は花見に似ているだろうと思います。つまり自分が楽しむということが第一にあるわけですね。今の球場はほとんど禁煙になっていて、タバコを吸う場合は喫煙所に行かなければなりません。私も何度も席を立って喫煙所に向かいましたが、結構混雑しているものです。その間ゲームは備え付けのモニターで見ているわけですが、これは非常におかしいと思うわけです。それなら家でテレビを見ているのと変わらないじゃんと思うからです。もちろん球場のファンの声援が漏れ聞こえてきますから、全く同じかというとそうでもないですが、それでもわざわざ球場に行ってテレビモニターを見ていること自体がおかしいと思うわけです。

それと音響。ドームですからいろんな設備を整えています。ジャイアンツの選手が打席に向かうたびに大画面のスクリーンに顔が映し出されて派手なテーマ音楽が流れます。それはまあいいんですが、それが無いと楽しめないかというとそんなことは無いわけです。むしろ試合と関係の無いところで勝手に大きな音を聞かされるのは、逆に興ざめしてしまったりします。特にテーマ音楽は選手が自分で決めるのでしょうが、レゲエとかだとオヤジは乗れないし、特にチャンスの時など違和感を感じたりたりもします。その辺の効果はセンスの問題なのかもしれません。とは言いながらライトスタンドの応援団の応援歌と微妙なズレを感じたりもします。有体に言えば、見たいから見るではくて見せられていると感じてしまう。チャンスでワクワクするから気分が高まるのではなくて、勝手な演出で無理にそそのかされているみたいな感じがしてしまうのです。効果的な演出というのは口で言うほど簡単だとは思いませんが、一考の余地はあるのではないかと思います。

あと感じたのは巨人ベンチの雰囲気の暗さ。これは見せるということを考えたらもっと明るくしないといけないと思います。監督が暗いからそれがベンチに波及しているというのもあるかもしれませんが、本人達が乗っていないのに客を乗せようというのは無理があります。新庄的なパフォーマンスは是非ともして欲しいところです。
あとまだ色々あるんですが、今日のところはこの辺で。続編はいずれ。

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Comment on "プロ野球を見に行こう"

喫煙所は実は球場であって球場ではない、モニターあるのみ>
なるほど。喫煙所の設置というか、観客の足切り方自体を変える必要がありそうですね。たとえば、競馬場のように。野球場では喫煙飲酒席、家族席、カップル席、みたいに。砂かぶり席?ができたのだから、できないことはナイト思います。

  •   Captain
  • 2005年05月31日 11:44

いつもコメントありがとうございます。気付くのが遅れてしまいました。競馬場はかなり女性客を意識して、場外馬券場からウィンズに名称変更したころからかだいぶおしゃれになりましたね。野球の場合はそれだけでは企業努力とはいえないのだろうと思いますが、このままだとジリ貧でしょうから、やはり何か考えなければならないと思います。

  •   ten
  • 2005年06月04日 20:02

やはり、よりおもしろいモノをより快適にというのが、お客さんに足を運んでもらうタイプのエンターテイメントの宿命なんでしょうね。

  •   Captain
  • 2005年06月06日 00:38

そうですね、自分の方から出向くのでなければそれなりの工夫やサービスというのが必要なのだと思います。

  •   ten
  • 2005年06月13日 13:27

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