2004年10月31日

イラク邦人人質殺害事件

イラクで邦人の人質が殺害された。拘束されたのは24歳の若者だが、どうしてこんな状況下でわざわざイラクに行ったのか。彼は旅先で受けた忠告も無視してイラク入りした以上、決して拉致されてはいけなかった。多くの日本人がとんでもない暴挙、愚行と思っているに違いないが犯行グループは今まで多くの拉致殺害を行ってきたザルカウィの組織だという。しかし家族の願いも虚しく、今日未明に冷たくなった姿で発見されてしまった。今回の件では情報も曖昧で家族にとっては不安と落胆、そして一縷の望みと精神的な被害は甚大なものだろうと思う。

たとえどんなに軽率な行動とはいえ、彼自身は犯罪者でもなく、まして何か危害を加えようとしたわけではない。それが首を切り落とされるという残忍な方法で殺されていいはずがない。自業自得と言ってしまえばそれまでだし、確かに自殺行為ではあったのだが、親の気持ちとしてはいかばかりだろう。

今回拉致された時点で小泉首相は自衛隊の撤退は考えないと即座に言明した。確かにテロに屈すれば国際社会的にも体裁が悪いし、もともと危険があると言われ、どんな理由があろうとも絶対に行くなと言われていた国に旅行に行ってしまった彼にも非が無いとは言えない。

しかし、元を正せばテロと言われるイラクでの多くの誘拐や殺人事件は、アメリカが大量破壊兵器が存在するとして始めたイラク戦争にあるのではないか。実際に大量破壊兵器など無かったにも関わらず、アメリカはその非を認めようとしていない。独裁者フセイン政権を崩壊させたのはひとつの成果だと言う事なのだろうが、今の治安を考えれば、むしろフセイン政権時代の方が良かったのではないか。自衛隊の復興支援活動がそれほど現地の人間にとって有難いと思われることもなく、あたかもアメリカの属国のような行動をとっている日本に対して、決して友好的な感情が湧かないということもあるのかもしれない。そうするとテロ云々よりも自衛隊を派遣していること自体に疑問が生じる。
果たして自衛隊の復興活動は本当に必要で役に立っているのであろうか。
今回犠牲になった香田君のご冥福をお祈りします。

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