2004年03月24日

国内選考レース

世界陸上の内定はすでに規定で決まっていたことであり、今さら覆すわけにもいかない。実際にこのとき銀メダルを取った野口に実力があることも間違いないだろうから、それについてはあえて考えないことにする。今回の決定に際して、日本陸連の沢木啓祐強化委員長は「高橋の実績を最大限評価している」としながらも「東京国際での高橋と、大阪国際での坂本のレース内容の比較になった」と最後は選考会レースの内容で決断したことを明らかにした。選考基準にあるのは、国内レースに限ってみれば、3つの選考レースの成績上位者を検討の対象にするということだけである。それでも今回のレース内容で判断したと言うからには、数字として具体的な形が出てくれば、それはそれで納得できるものもあるだろう。名古屋を勝った土佐が3つのレースのうちで最高タイムを記録しているので落とす理由が見つからず、最後は大阪を制した坂本をとるか、東京で2位に敗れた高橋をとるかということになったようだが、結局高橋を押したのは選考原案作成委員10名中たったひとりということであった。


ところで今回選ばれた坂本、土佐のレース内容は本当に良かったのか。土佐の逆転劇はアテネへの執念と最後まであきらめない粘りが感動を呼んだが、本来記憶と言うのは過去に遡るほど薄れるので、その辺は割り引いて考える必要がある。それと同時に内容が良いならばそれが数字に表れるはずであるので、それに基いて後に検証してみたいと思う。

近年の女子マラソンはまさにスピードレース。世界と戦うためには絶対的なスピードが要求される。男子並みの記録を出さないと上位入賞が狙えないような状況になってきた。それと感じるのは、決して選手一人の力だけではなく、監督やコーチを含めた周りのスタッフ、とりわけ監督に関しては非常に重要なファクターである。選手の練習メニューや体調管理、はては食事内容に至るまで目を光らせるのは何かに似ているなと思っていたら、これはまさしく競馬と同じである。高橋の東京マラソンでの失速に関して、後に小出監督が高橋の食事量が減っていたのに気付かなかったと漏らしたが、これなどは飼葉の食いが悪くなった馬が不調なのとまるで同じである。まさしくサラブレッドと調教師の関係。高橋の東京でのまさかの失速は調教で失敗したといっても過言ではない。あまり話がそちらに向くと、そのうち競馬の話になってしまいそうだが、今回の選考レースに関しては、競馬と似たような部分が非常にあって、対比すると面白いと思うので、多少引用しながら考えていこうと思う。

banner_01.gif

Trackback on "国内選考レース"

このエントリーのトラックバックURL: 

"国内選考レース"へのトラックバックはまだありません。

Comment on "国内選考レース"

"国内選考レース"へのコメントはまだありません。

Post a Comment

コメントする
(HTMLタグは使用できません)
ブラウザに投稿者情報を登録しますか?(Cookieを使用します。次回書き込み時に便利です。)
  •  
  •