2004年03月30日
砂の器
普段あまりテレビは見ないのだが、ドラマでは「白い巨塔」と「砂の器」だけは欠かさずに見ていた。最近の軽いドラマは、どうも若者ののご機嫌取りのような気がして、それでいて本当に若者にウケているのか?という疑問はあったものの、どちらにしろ付き合わされている感じがしてしょうがなかったのだが、この二つは往年のヒット作のリメークということもあり見応えがあった。
砂の器は映画で松本清張に原作を越えたと言わせる名作だったようだが?(実は見ていない)、今回見たドラマは父子二人の放浪場面は(なぜかこのイメージだけは持っている)似ているのではなかろうか。
初回から緊迫した場面が続き、思わず引き込まれていったが、圧巻は最終回の前の回、ほとんどセリフが無い。犯人の幼少時、殺人犯の父親と二人での放浪シーンと逃亡生活。千住明の音楽と回想シーンでほとんど1時間やっていた。恐らく思い入れの違いが出てくるだろうが、正直私は短い時間に感じた。多分映像が綺麗だったからだとおもうが、その気になればちゃんとしたドラマ作れるじゃんと思ったものであった。
ただ、ちょっと残念だったのはラストシーン。もともと推理小説を人間ドラマに仕立てる難しさはあるだろうが、なんだか消化不良の感じがしなくもない。これだけいいドラマなのになんで最後が学芸会みたいになっちゃったのかなというのが、正直な感想。中居くんはそれまで名演技だと思ったんだが、最後のシーンはちょっとなという感じだ。原田芳雄は良かったが。。。一番良かったのは子役だったりして。それにしても渡辺謙や原田芳雄はさすがに存在感があるな。サイトの掲示板は絶賛の嵐で感動の涙で頬を濡らした人も多いようだが、自分はさすがにそこまでのめり込んではいなかったものの、それでも最近のドラマではかなりの秀作ではなかろうか。
原作を読んでいないのであまり偉そうなことは言えないが、もともとはハンセン病患者についての差別というのがテーマとしてあったのだと思う。ご時世でとても病気については取り上げられないので、村八分、不治の病ということにしたんだろうと思うが。いずれにしろ社会問題という形で取り上げられた、この砂の器にしろ、白い巨塔にしろ原作がしっかりしているものは時代に関係なく人の心をとらえるということは、人間の本質なり社会の構造なりと言ったものが、それほど変わりなく、悪く言えば進歩していないということなのだろうか。
ここまできたら、あとは金田一シリーズとか森村誠一だろうな。。。。
それにしてもこの感想もなんだかだな。
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