イラク日本人人質事件

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• カテゴリー:出来事・事件・事故

イラクに対する自衛隊派遣に関しては、以前にもいろいろ物議をかもしていたが、今回の民間人拉致については改めて日本の姿勢が問われることになった。自衛隊を撤退させなければ人質３人を生きたまま焼き殺すみたいなことを言っているようだが、もともとこの人質はイラクに危害を加えようとして戦乱のさなか赴いているわけではなく、むしろ個人的にイラクの復興に協力しようとして行っていた人たちである（もっとも一人は現地の情報をマスコミに売ろうとして危険を冒して行っているのかもしれないが）。ともあれ、イラクの人たちにとって不利益になる人たちではないだろう。

もともと政府が退避勧告を出していたにも関わらず、それを承知の上で行っているのだから、ある程度の犠牲は致し方ないだろうと考えることもできる。逆にそもそも自衛隊を派遣したことに問題があるとも考えられる。テロリストの要求は自衛隊の撤退だから、速やかに撤退させれば人質の命は保証されそうであるが、逆にテロに屈したという事実を認めることになり、今後の外交政策的にもあまり好ましいことではない。人命を取るか、国家の威信をとるかということだな。
考えようによっては自衛隊が向うにいるのだから、日本人救出のために、テロリストに宣戦布告しても良さそうだが、そうなると派遣した目的と違うことになってしまいややこしいことになる。実際に出来ないだろうしな。
武器を使って攻撃する訓練は行っていても人質救出の訓練はあまりしていないだろうから自衛隊に希望しても頼みにすることも無理だろう。

ただ日本政府としてもテロに屈しないと言いながら、逆にこれと言った妙案があるわけでもなく、むしろ手も足も出ないといった状況なのではなかろうか。平和的に解決するには、特殊部隊でも投入してテロ組織を投降させ、なお且つ無事に人質を確保しなければならないが、そもそも相手がどこにいるのかもわからないようでは、期限とされる３日以内の救出は非常に難しいだろう。第一本当に自衛隊の撤退を望んでいるのかどうかも疑わしい。韓国の人質は金を出したら開放されたと言っているから、日本も金出したらどうかな。テロには屈しないが金は出すというのもなんだか変な話だが、人命尊重ということを考えれば、多少の歩みよりは必要かもしれない。もしこの人質が本当に殺されるようなことがあれば、何のために自衛隊を派遣したのかわからなくなる。自衛隊員に被害者が出るよりも、もっと非難される危惧が出てきてしまった。
人命をとるか国家としての対面を保つか、どうすればいいのかははっきりわからない。何かいい方法は無いものだろうか。