ホームベーカリーがやってきた

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やってきたと言っても別に歩いてきたわけではない。カミサンの会社の創立記念パーティの景品で当たった（実際には裏取引で譲ってもらった）のだ。さて、うちはというか、私はそれほどパンは好きではない。トーストにハムエッグなら絶対にご飯と味噌汁の方がいい人間で、特に嫌いではないのだが、取り立てて騒ぐほどパンに執着は無い。ただ家の中に居ながらにしてというか、例えば起きてすぐに焼きたてのパンを食べられるというのはちょっと魅力的ではある。その辺り、パンに関して半狂乱？の人に比べればだいぶ冷めてはいるのだが、あれやこれやの材料を揃えるのもまあ大騒ぎで、あっちこっち値段を確かめながら強力粉やらイースト菌やらを探したのだった。結局スーパーで一通りそろえたわけだが、自分でパンを作るというのは結構面倒臭い。

おいしいものを食べるためには確かに手間はかかるのだろうが、分量や温度など、なかなかシビアなものらしい。前の日に材料をそろえていて、あとは作って食べるだけという状況になったのだが、さて作ると言っても４〜５時間かかる。結構微妙な時間だ。前の晩に予約しておけばいいだろうとも思うが、そうすると水に氷を入れておかないと出来上がりがうまくいかないようであり、氷を入れると解けた時の容量が良くわからない。結局朝起きてカミサンが寝ている間に面倒だが、粉の分量、水の量、レシピ通りに一通りぶち込んでスイッチを入れた。初めてなので袋から出したり、重さを量ったりしながら結局スイッチを入れるまでに３０分もかかってしまったのだが、これも早くカミサンに食べさせてやるためだ。なんて俺は優しいのだろうなどと思っていたらとんでもない、なぜだかカミサンに怒られてしまった。

なぜかというと最初は自分がやりたかったのだそうだ。なんじゃそりゃと思ったがどうも最初にやることに意義があるらしい。俺の考えでは最初に食うことに意味があるだろうと思うのだが、食べることよりも最初に使うことが大事なんだそうだ。これは私には理解しがたい感情だ。そう言えば今までも買った物に関しては自分が箱を開けたがっていたっけ。なんか子供じみているようでもあるが、まあ俺はその楽しみを奪った憎むべき人になってしまった。それにしてもそういう感情ってみんな持ってるのかなと考えた。これはまた後日考察しようかとも思うが、結局出来上がりはどうだったのかと言えば、これはなかなかいける。それほどパン好きでない私がなかなかいけるわけだから、好きな人にはかなりいけるはずだ。自分で材料を加減しながらやれば、もう楽しくて仕方が無いはず・・・かも。