2004年07月15日

嘘も方便

長野県安曇村の白骨温泉の公共野天風呂で、数年前から白濁しなくなった湯に入浴剤を入れていたという事実が判明した。天然温泉を謳った野天風呂に入浴剤を入れるなど観光客や湯治客を裏切る背信行為だと非難されているが、なぜか滑稽に思えるのは、入れらていた入浴剤が草津温泉で売られている入浴剤だったと言うことだ。

確かにやっていたことは騙し行為ではあるのだが、思うに同情できないこともない。地元の人間にとっては昔からのイメージを大事にしたいだろうし、実際に白濁した温泉が売りである以上そのお湯が透明ではせっかく来た客を失望させてしまう。例えば家族連れで来た客は、その道中お父さんが子供たちにその温泉について得意げに語っていたはずである。「この温泉は最初は無色透明なのが、時間が経つにつれ白く濁って来るんだよ」とかなんとか。その父の説明を聞いた子供たちは瞳をキラキラさせながら、あらためてわが父を尊敬の眼差しで見つめる。しかし、いざ行ってみるとなんの変哲も無い普通の温泉だった。それでは父の威厳は一気に崩れ去り、大人のいい加減さを露呈することになってしまう。

もっとも今回の一件は以前の古墳捏造に似た感じはするが、どうなんだろう、温泉なんて実は効能があればそれでいいんじゃないかという気もする。何が何でも白骨の、しかも公共の温泉でなければ入った意味が無いという人もまれだろうし、実際に混入していたのは天下の名湯、草津温泉の入浴剤である。個人的には白濁させるために雪印の牛乳を使っていたりしたら、よりインパクトがあったような気もするが、あるいは入浴剤を購入するために三菱自工が出資していたとか、事件性としてはその方が面白かったというのはあまりに無責任ではあるが、まあ実際に入浴剤入れるところが見られるまで誰も気付かなかったわけだしね。

この場合明らかに人命に関わる車の欠陥を隠していたどっかの自動車会社とか、健康を損ねる可能性があるものを平気な顔して出荷していたどっかのスノーブランドとは明らかに違っている。なんせ、健康を考えて草津温泉なんだから。これが韓国の生ゴミ入りの怪しい温泉の素だったらもっと非難されただろうけど。

まあ、実際に濁ってくれていれば問題なかったんだろうけど、クリスマスに子供が期待しているのに、サンタクロースなんていないと一蹴して、クリスマスプレゼント上げないケチな親父もそういないだろうし、一度手を染めてしまうとなかなか後戻りできないんだろうね。

そんなこんなで考えさせられる問題ではあるが、実際は白骨温泉全部が入浴剤入れているわけでもなくて、殆んどの旅館は十分に白濁しているそうである。
めでたしめでたし。

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Comment on "嘘も方便"

あれは、12月・・・クリスマスの頃でした・・・。
「おかぁさん、どうしてうちは、ケーキないの?」
純情な少女は、B型母ちゃんにたずねました。
「うちは、仏教だから!」

                    完(泣)

初めてのカキコ・・・
これでいいのか・・・?
ぶぶぶ^^

  •   ななこ
  • 2004年07月16日 00:59

温泉なんてみんなでワイワイ入れればいいのよ〜なんて・・・そういう目線じゃだめなのかしらw

お湯の色より効能っすよねw
温かければいいのよ〜

とは言え白濁の湯は魅力的なのも確かですw

  •   nyanya
  • 2004年08月01日 15:10

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